日本では持ち家や土地、株などの価値のあるものを担保にして、銀行から融資を受けることが可能です。しかし世界でも有数のチーズの名産地であるイタリアでは、なんとチーズを担保に融資を受けることができるのです。

チーズの価値

チーズは熟成させるのに数年の月日が必要になります。チーズ生産者はその間も家畜や設備などに投資し続ける必要があるため、多額の資金が必要になります。そこで、パルメザンチーズで有名なパルマ地方のいくつかの銀行では、固形パルメザンチーズを担保に融資を行なっています。

固形パルメザンチーズ1個は約40kgで300ユーロ(約4万円)の価値があるとされます。融資を受けた者が支払いを怠った場合は、預かっているチーズは売りに出されます。チーズの価値が下がっていた場合、差額分を生産者に請求しますが、支払い方法は現金またはチーズのいずれでも可能です。それだけ、チーズには価値があるのです。

このシステムは1950年代から始まり、現在では約40万個のチーズが銀行内の貯蔵庫に保管されているといいます。