鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県の5県によって構成される地方を「中国地方」と呼びます。アジア最大の国である隣国の「中国」と、呼び名が同じことに戸惑った覚えがありますが、なぜ同じ呼び名にしたのでしょうか。

中国と中国地方の関係

中国の正式名称は「中華人民共和国」ですが、この中華というのは「中華思想」という言葉からきています。中華思想では「我が国は世界の中心にある」という考えであり、そのことから「中国」という名称が生まれました。

一方「中国地方」とは、中華人民共和国とは全く関係がありません。中国地方という呼び名が誕生したのは平安時代のことです。この頃の日本の中心は東京ではなく京都でした。そして現在の福岡県に位置する「太宰府」は、重要な外交拠点として西の中心とされていました。

この太宰府と、日本の中心地である京都の中間にある国ということで「中国地方」と呼ばれるようになったのです。