冬になり初雪が降るとなぜだか心踊るものです。日本では12月〜1月にかけて、各地域で初雪が観測されます。標高3776mで日本一の高さを誇る富士山の頂上は「万年雪」といい、常に雪が積もっている状態です。それでは、富士山の初雪というのは存在するのでしょうか。

富士山の初雪

初雪とは、その年の冬になって初めて降る雪のことですが、富士山の山頂付近は下界が夏真っ盛りである7月〜8月でも氷点下の気温を記録することは珍しくありません。そんな富士山の場合は、一日の平均気温が最も高い日で判断します。つまり、その日がその年の最高気温を記録した日であったなら、その日を夏の終わりと定め、その翌日から冬と認定するのです。万年雪である富士山の頂上の初雪は、最高気温日の翌日に降った雪ということになります。

初雪の観測は、富士山頂剣ケ峰にある富士山特別地域気象観測所にて観測を行なっていました。過去形で表現している理由は、その観測が2004年9月30日をもって終了したからです。観測は1936年に開始され、最も早い初雪の記録は1963年7月31日、最も遅い記録は1943年10月16日でした。