何をするにも形から入る場合も、自分自身のスキルが天井に達したからといった場合も、スポーツにおいて選ぶ道具はとても重要です。冬季オリンピックの公式種目でもあり、「氷上のチェス」とも呼ばれる「カーリング」は、頭脳戦ともいえる人気の高いスポーツです。それなのに使用する道具は平等です。

カーリングは道具で差がつけられない

通常あらゆるスポーツでは、使用する道具はスポンサーから提供され、選手はその道具を使用することで報奨金を得る、つまりはプロなのです。カーリングで点数を決めるのはストーン(石)の位置です。ではプロ選手はスポンサーが提供してくれたストーンを使っているかというと、そうではありません。

カーリングの国際大会で使用されるストーンは、スコットランド本土の西に浮かぶアルサクレイグ島の特産である「ブルーホーン花崗岩(かこうがん)」という特別な石材で作られています。問題はこの石がアルサクレイグ島でしか採取できないところにあります。アルサクレイグ島での採取は、自然保護の観点から20年に一度しか解禁されません。

ストーン自体の耐久性は100年以上あるとされますが、20年に一度しか採取する機会がないとなると、どうしても高価になってしまいます。大会で使われるストーンは1個10万円以上する代物で、1セットで16個のストーンを使用するため、総額160万円以上の道具を使うことになります。

しかしこのストーンは会場側が用意するものであり、選手が個人で購入することは基本的にはありません。