フライングとは陸上競技において、スタートの合図よりも早くスタートを切ってしまう反則で、不正スタートとも呼ばれます。陸上競技においては0.1秒の差が勝敗を左右する競技でもあるため、フライングスタートに関しては厳格にルールが定められています。

フライングスタートとは

選手は最高の記録を出すために神経を集中させ、0.1秒でも早くゴールできるように0.1秒でも早くスタートを切る努力をします。この「0.1秒」というのがキーワードになってきます。

フライングスタートのルールとして勘違いされがちなのが、スタートの合図と同時かそれ以降でのスタートであれば、反則にはならないと思われているところです。しかし実際は、公式のルールでは「スタートの合図から0.1秒未満で動き出した場合は反則となる」とあります。

これは、人間は耳で音を感知してから脳に伝達され、脳から体へと命令が下るまでに最低でも0.1秒以上かかるという医学的根拠に基づいてのことで、それ以下での反応はあくまでも予測からきているとされるからです。しかし近年では、反応するまでに0.1秒を切れる人間がいるのではないかという点に議論が起こっています。

幾度かのルールの変更はありましたが、現在では一度のフライングスタートで即失格となってしまいます。選手はその中で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、極限の精神状態で戦っているのです。