スポーツの試合で、複数の有名な大会で優勝を総なめにすることを「グランドスラム」と呼びます。この言葉は「グランド」と「スラム」が組み合わさった言葉ですが、「スラム」という言葉にはネガティブな感じがしますが、本来はどういった意味なのでしょうか。

グランドスラムの語源

テニスでは、国際テニス連盟が定めた4大大会である「全豪オープン」「全仏オープン」「ウィンブルドン選手権」「全米オープン」がグランドスラムの対象です。ゴルフでも同様に4大大会で、「全英オープン」「全米オープン」「全米プロゴルフ選手権」「マスターズ・トーナメント」が対象になります。この他にもモータースポーツや格闘技、カーリングやフィギュアスケートにいたるまで、様々なスポーツでグランドスラムが存在します。

しかし「グランドスラム」という言葉は、もともとはトランプのゲーム「コントラクトブリッジ」で使われていた言葉で、13あるトリックを全て取ると宣言し、それを達成することを指していました。

「グランド」という言葉は「最高」を表しており、「スラム」は都市部における貧困層が暮らす地域という意味ではなく、「ドアなどを勢いよく閉める様子」を表す言葉で、転じて「勢いのある様」として使われます。バスケットボールの「スラムダンク」も、勢いよくという意味で使われています。

このことから、全ての賞を勢いよく総なめにする様子から、スポーツ界でもグランドスラムという言葉が使われるようになったのです。