「押忍!セイヤー!」と気合を入れ、何段にも積み重ねられた瓦を一気に割る圧巻のパフォーマンスを見せてくれる空手家。瓦は言わずもがな屋根を作るために使用される素材であり、その硬さは想像を超えるもの、とお思いでしょう。しかし瓦割りで使用される瓦は、特殊な瓦なのです。

瓦割り用の特別な瓦?

一般的に屋根に使われる瓦は「桟瓦(さんがわら)」という瓦です。骨よりも硬いので、素手で割ろうとすれば間違いなく骨折します。ましてや頭で割ろうものなら、頭蓋骨が割れてしまいます。そこで登場するのが「熨斗瓦(のしがわら)」です。

熨斗瓦は屋根の先端部分などに用いる瓦で、半分に割って使うことが前提とされているため、浅く切れ目が入っているのです。バラエティ番組などで瓦割りを披露する時、キレイに真っ二つに割れているのはこの切れ目のおかげであり、その場合は間違いなく熨斗瓦を使用しています。

本来は熨斗瓦は専用のハンマーのようなもので割りますが、素手で割ることも十分に可能です。だからといってそれなりの腕力や度胸がなければ割ることはできません。場合によっては骨折もしますし、割れた瓦で怪我をする危険性もあります。いずれにせよ、遊び半分で試すことではないでしょう。