1972年、西ドイツのミュンヘンで行われたミュンヘンオリンピックの男子100m走競技において、まさかの珍事件が起こりました。

オリンピックに遅刻した選手

優勝候補とされていたアメリカ代表のエディ・ハートとレイ・ロビンソン、そしてロバート・テイラーは、19時から開始される二次予選に出場するため、テレビ局内にて移動用のバスが到着するのを待っていました。待機中、テレビでは男子100m走の様子が流れていましたが、三人はこれを一次予選の再放送だと思い込んでいました。

しかしテレビ局員から、これが二次予選の様子だと伝えられると、慌てて会場へ向かいましたが時すでに遅し。間に合ったのは後半組になっていたロバート・テイラーだけでした。結果、ロバート・テイラーはこの種目で銀メダルを獲得することとなったのです。

原因はコーチから伝えられていたスケジュールが、18ヶ月も前のものだったことで、オリンピック開催までの間にタイムスケジュールに変更が起こってしまっていたのです。