軟式硬式と言えば野球やテニスを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし2001年まで、卓球にも軟式ルールがあったのです。

軟式卓球とは

現在の公式ルールは、昔から確立されていた硬式球のルールに従って定められたものです。卓球と言えば中国というイメージが強いですが、卓球の起源はインドの「ゴッシマテニス」という遊びで、それが1880年代にイギリスに伝わり、卓球というスポーツに発展したとされます。

日本に卓球が伝来したのは1902年の事。イギリスから卓球の用具を日本へ持ち帰ったことが始まりとされています。その後、日本独自のルールである「軟式卓球」が流行しました。軟式卓球は硬式卓球に比べていくつかの違いがあります。

当時の硬式・軟式ともに、ボールは現在の40mmに比べて2mm小さい38mmを使用していました。しかし当時のボールの素材であるセルロイドの性質上、全く同一のサイズを作るのが極めて難しいために硬式では誤差1mm、軟式では誤差2mmの幅を設けていたのです。そのため、ルール上では軟式ボールのサイズは36.9mm~38.9mmとありましたが、使われるボールの認識は38mmであったのです。

ちなみに2014年以降はボールの素材がプラスチックになったことから、誤差は0.6mmとされています。

また、ネットの高さが硬式よりも2cm高い、17.25cmであったため、ネットが高いために鋭いスマッシュが決めづらく、ラリーも長く続いてしまうため、試合時間が長引く事が多かったようです。このような事から、軟式卓球は2001年の旭川大会を最後に、そのルールは消滅してしまいました。