「選出される」という意味である「白羽の矢が立つ」という言葉。特別に選ばれた人や、期待されて選ばれた人などを指すときなど、良い意味で使用されますが、実はこれには恐ろしい語源があるのです。

「白羽の矢が立つ」の語源

古い伝承によると、神は民の住む家に白い羽のついた矢を立てて目印にしたとされます。これが何の目印かというと、人身御供(ひとみごくう)、つまりは生け贄です。

神にその身を捧げる人間が選ばれる目印というところから、「白羽の矢が立つ」とは、本来は「犠牲になる」という意味で使われる言葉であり、決して良い意味ではないことが分かります。そして時と共に「選ばれる」という所のみが使われるようになったのです。

ちなみに「白羽の矢が当たる」は間違いでありますが、文化庁による調査によると、35.3%もの人が間違った覚え方をしているとのことです。