海を照らす灯台は、遠海から陸地の位置が分かるようにと建てられているものです。灯台下暗しとは、「人は身近なことには気づきにくい」という例えですが、実はこの「灯台」とは、海に建てられている灯台のことではありません。

灯台下暗しの語源

確かに船の安全を守るための海の灯台も、その建物の真下は暗いでしょうが、語源はそれではありません。この言葉は江戸時代には使われていたとされていますので、その時代に灯台があったとは思えません。

昔の照明器具は薄い皿のような入れ物に油を入れ、ロウソクの芯のようなものを浸しておき、そこに火を灯すことで持ち運びのできる照明として使われていました。この照明を「灯台」と呼んでいたのです。

構造上、この灯台の真下には灯りが届かないため、「すぐ真下の足元が見えない」ことが転じて、「身近なことには気づきにくい」という言葉が生まれたのです。