虎の巻』は、簡単に他人が知ることのできない奥義や秘伝が書かれている書物のことで、現代では意味が転じて、教科書などに対する解説書や指南書のことも『虎の巻』という言葉で当てはめるようになりました。

『虎の巻』とは

『虎の巻』は古代中国で生まれた兵法書である『六韜(りくとう)』の内の一つで、『六韜』は全6巻から成り立っており、一巻に『文韜』、『武韜』、二巻に『龍韜』、『虎韜』、三巻に『豹韜』、『犬韜』で構成されているのです。各巻の内容は次の通りです。

内容

第一巻

  • 文韜 – 準備や政治問題の記述。
  • 武韜 – 政治的戦略についての記述。

第ニ巻

  • 龍韜 – 作戦指揮や兵力配置などの記述。
  • 虎韜 – 平野部での戦略、武器の使用法の記述。

第三巻

  • 豹韜 – 地形に応じた戦略の記述。
  • 犬韜 – 訓練、編成、兵種に応じた作戦の記述。

『犬の巻』もある

この中でも『虎韜』は『虎の巻』として慣用句となり、広く認知されています。つまり『虎韜』が『虎の巻』であるならば、『龍韜』は『龍の巻』、『犬韜』は『犬の巻』であると言えるのです。