私達が日常的に使用する数字の桁は「千」や「万」など、大きくても「兆」までしか目にしないでしょう。その上は一体どこまで桁が存在するのか。また逆にマイナスの桁呼び方は存在するのか。

今回の雑学では日本の数字の桁の呼び方についてまとめてみました。

桁の読み方が書かれた書物

日本の算数の歴史は古く、1627年に執筆された『塵劫記(じんこうき)』には、九九の掛け算や面積の求め方などの算術全般に付いて書かれています。この本の中に登場するのが、命数法と呼ばれる桁に漢字をあてがって数詞で表す方法です。

つまり一、十、百、千、万、億、兆・・・という文字です。これを乗算に置き換えて見ると、一は10の0乗なので100、百は10の2乗なので102と置き換えることが出来ます。

この塵劫記には1068までの命数と、マイナスの桁である10-24までの命数が書かれているのです。

正数

万以降の桁は、乗数が1上がるたびに先頭に十、百、千を付けて読みます。例えば1038は百澗という具合です。

命数 桁数
100
101
102
103
104
108
1012
京(けい) 1016
垓(がい) 1020
𥝱(じょ) 1024
穣(じょう) 1028
溝(こう) 1032
澗(かん) 1036
正(せい) 1040
載(さい) 1044
極(ごく) 1048
恒河沙(ごうがしゃ) 1052
阿僧祇(あそうぎ) 1056
那由他(なゆた) 1060
不可思議(ふかしぎ) 1064
無量大数(むりょうたいすう) 1068

小数

野球の用語でもおなじみの、◯割◯分◯厘という命数たちです。勘違いされやすいですが、分は1/100ではなく、小数点以下の桁数ですので、分は1/10になります。

命数 桁数
100
分(ぶ) 10-1
厘(りん) 10-2
毛(もう) 10-3
糸(し) 10-4
忽(こつ) 10-5
微(び) 10-6
繊(せん) 10-7
沙(しゃ) 10-8
塵(じん) 10-9
埃(あい) 10-10
渺(びょう) 10-11
漠(ばく) 10-12
模糊(もこ) 10-13
逡巡(しゅんじゅん) 10-14
須臾(しゅゆ) 10-15
瞬息(しゅんそく) 10-16
弾指(だんし) 10-17
刹那(せつな) 10-18
六徳(りっとく) 10-19
虚空(こくう) 10-20
清浄(しょうじょう) 10-21
阿頼耶(あらや) 10-22
阿摩羅(あまら) 10-23
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう) 10-24