どちらも同じ原材料から作られる赤味噌と白味噌。では一体どのようにして色に違いがあらわれるのでしょうか。また、色以外の違いはあるのでしょうか。

今回の雑学では、赤味噌と白味噌の違いについてご紹介します。

味噌の作り方

どの味噌も原材料は全く同じもので製造可能です。大豆に火を通したあと、米や麦などの麹(こうじ)と塩を混ぜて、発酵させるという手順は共通になります。

それぞれの工程を詳しく見てみましょう。

赤味噌

大豆を蒸してから、麹と塩を混ぜ込み、1年以上の長期間の熟成を行います。
大豆の浸水時間も長く、塩の量は白味噌と比べて多いです。

白味噌

大豆を煮てから、麹と塩を混ぜ込み、1~2週間ほどの熟成を行います。
大豆の浸水時間は短く、塩の量も赤味噌と比べて少ないです。


上記以外でも細かな違いはありますが、一番の違いは「蒸す」か「煮る」かです。この工程が色の変化に大きく関わっています。

色が変色する理由

大豆が発酵していく過程で、大豆に含まれるアミノ酸と糖が反応を起こし褐色していきます。この反応を「メイラード反応」といい、食品加工や貯蔵の際に重要とされる反応です。

大豆が高温で蒸されることにより、タンパク質が酵素によって分解させる力を増します。これにより、茶色の味噌が生まれるのです。

一方の白味噌は、このメイラード反応を抑えて製造する必要があります。そのため、大豆は蒸さずに煮て処理をし、すぐに麹と塩を混ぜて桶に移し発酵状態へと持って行きます。このことで急激な温度の変化などによる品質の変化を防ぐのです。

さらに淡色を強くするため、大豆は脱皮したものを使用し、麹も着色の少ないものが使用されます。

まとめ

赤味噌と白味噌の違いは次のようになります。

赤味噌 白味噌
大豆の加熱方法 蒸す 煮る
浸水時間 長い 短い
塩分 高い 低い
発酵期間 1年~ 1~2週間

一般的に赤味噌は塩辛く、白味噌は甘みがあるとされています。各メーカーによっては辛めの白味噌もありますし、甘めの赤味噌もありますので、味の好みはそれぞれでしょうが、栄養価の面で考えると、赤味噌の方が豊富に栄養素が含まれているそうです。