「逆鱗に触れる」の逆鱗とは何のウロコ?
「逆鱗に触れる」とは、目上の人を怒らせるという意味。人を怒らせる意味と勘違いされやすいですが、目下の人間を怒らせてしまった場合には「逆鱗に触れる」という言葉は当てはまりません。さて、この「逆鱗」というのは一体何の事を指しているのでしょうか?
あの生物のウロコの事
「逆鱗」とは書いて字のごとく「逆さまの鱗(ウロコ)」の事です。それも魚や爬虫類などといった生き物ではございません。誰しもが知る架空の生き物、「龍」の鱗なのです。
中国戦国時代に書かれた『韓非子(かんぴし)』という書物によれば、龍のアゴの下には一枚だけ逆さまに付いた鱗があり、その鱗に触れたが最後、普段は大人しい龍は怒り狂って触った者を殺してしまうとあります。
この事が転じて、目上の者を怒らせることを「逆鱗に触れる」と例えられるようになったのです。