ピーターラビットの父親はパイにされて食べられた
「ピーターラビット」はイギリスの絵本作家であるビアトリクス・ポターが書いた『ピーターラビットのおはなし』に登場する、主人公のウサギです。全世界で2億5000万部も発行されている怪物級の絵本であり、読んだことがない人でも、柔らかタッチで描かれるピーターラビットの絵は見たことがあるのではないでしょうか。
ミートパイにされた父親
ピーターラビットの絵本が誕生して100年以上も経過した2013年5月1日に、日本でピーターラビットの公式ウェブサイトがオープンしました。そこで多くの人が「ピーターラビットの父親はパイにされて食べられてしまった」という驚愕の事実を知ってしまったのです。
「父親がパイにされて食べられてしまった」という設定は、『ピーターラビットのおはなし』の冒頭でいきなり書かれています。母親がピーターラビットたち子うさぎに「マクレガーさんの家の畑には近づいてはいけません」と注意する場面で、続いて「お父さんは、あそこでマグレガーさんの奥さんに肉のパイにされてしまったんだ」と書かれているのです。
公式ウェブサイトの登場キャラクター紹介のページにも、可愛らしいウサギやネコなどのキャラクターの絵が並ぶ中、ピーターのお父さんはミートパイの絵になって登場しています。
児童向けの絵本に関わらずこのようなある種残酷な表現がされているのは、自然界の現実を重視するという観点から、編集者の反対の意見を押し切って、この設定を絵本の中で書くことを決めたのです。