ウミガメ産卵シーンと言えば、大量の卵を次から次へ生み出し、親ガメは痛いのか辛いのか、はたまた感動しているのか、その瞳からはが溢れ出ているように見えます。なぜ涙を流すのでしょうか?

感情のせいではない

お察しの通り、実は流しているのは涙ではありません。塩分を含んだ粘液なのです。

ウミガメは、目の横にある「塩類腺(えんるいせん)」という器官で、体内の塩分濃度を調節しています。この粘液は海中で普段生活している時にも絶えず排出されており、塩類腺やエラから余分な塩分を排出しているのです。

また、陸に上がると眼球が乾いてしまうため、乾燥を防ぐ役割にもなっています。

卵は一回の出産でおよそ100個ほど生み出されますが、その中で外敵や環境から生き残るのはわずか1~2匹といわれます。実は「頑張って生き残るんだよ」という母ガメの感情も、涙に含まれているのかも知れませんね。