紋は黒いのに、なぜモンシロチョウ?
日本でも身近なところに生息しているモンシロチョウ。真っ白な体に黒い模様(モン)が描かれたこの蝶は、なぜモンシロチョウと呼ばれているのでしょうか。
モンシロチョウの正式名称
モンシロチョウ(紋白蝶)の「モン(紋)」とは、すなわち家紋を表しています。家紋とは日本独自の紋章で、その家に代々伝わるものであることは誰もが知っていることでしょう。
モンシロチョウの真っ白な体に点々と付いている黒い模様を、昔の人は紋に見立ててこの名前が付いたのです。しかしそれでは矛盾が生じてしまいます。紋は黒いはずなのになぜ紋白蝶なのか。
実は明治時代まではこの蝶の事を「モンクロシロチョウ(紋黒白蝶)」と呼んでいました。紋が黒い、白い蝶という意味です。しかしこの名前がややこしく覚えにくいということから、省略された「モンシロチョウ」という名前が教科書に載り始め、現代まで引き継がれているというワケなのです。