水銀は電池や工業用品、農薬、塗料など、多くの場面で使われていますが、言わずもがな体には有毒な金属です。しかし古くは水銀をとして飲んでいた時代があったのです。

水銀と不老不死

水銀特有の外見から、飲めば不老不死になれると信じられており、古代中国の皇帝は水銀を薬として愛用していました。日本でも飛鳥時代の女帝が、美しさを保つために飲用したり、顔料としても使用していたといいます。

日本では水銀がもととなった水俣病が有名なように、水銀は強い毒性を持っています。かつて水銀を用いて消毒した小麦の種を使ったパンが出回ってしまい、水銀中毒によって400人以上が命を落とすという事件も発生しました。

不老不死になりたいと願って水銀を使用していた各国の権力者の多くも、水銀中毒によって命を落としています。