最も有名な『吾輩は猫である』を始めとし、数々の名作を世に生み出した文豪、夏目漱石。当時から現代でいうアイドル顔負けの人気があり、多くのファンから私生活を見られる、いわばストーキング行為を受けていたようです。

夏目漱石の癖

中でも熱狂的なファンとして夏目漱石を追い回していたのが、後に夏目漱石の門下生ともなる有名な小説家「内田 百間」です。内田百間は銭湯の中までも夏目漱石の跡をつけ、仕草や行動に目を光らせていました。

内田百間が書き残したエッセイ『漱石遺毛(そうせきいもう)』では、内田百間が所有する夏目漱石の遺品の書物に、鼻毛が並んでくっついていることが書かれています。

夏目漱石は原稿の執筆に行き詰まると、鼻毛を抜いて並べるという癖を持っていたのです。

このことは夏目漱石自身もカミングアウトしている事実であり、天才ゆえの奇妙な癖といえるでしょう。