夏も本番になると、あちらこちらでセミの大合唱が聞こえてきます。夏の風物詩だからと風流に感じるのは最初だけで、朝から晩まで続く大合唱に嫌気がさしてくるものです。そんなセミの鳴き声を聞いたからといって、全てのセミを目の敵にする必要はありません。なぜならメスのセミは鳴くことはないからです。

セミはなぜ鳴くのか

オスの成虫の腹腔内には、音を出す発音筋と発音膜、音を大きくする共鳴室、腹弁などの発音器官が発達しています。鳴き声の大きなヒグラシなどは、非常に大きな空洞を持っています。

この発音筋を秒間2万回ほど振動させることによって、セミは鳴いています。この鳴き声に釣られてやってくるのが、メスのセミです。つまりセミは子孫を残すため、メスの気を惹くために大きな音を出して誘い出しているのです。

セミは一日中鳴いているイメージがありますが、じつはセミの種類によって鳴いている時間帯が異なります。例えばクマゼミとミンミンゼミは午前中、アブラゼミとツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝と夕、ニイニイゼミは朝〜夕までと、その種類によって鳴く時間がある程度決まっているのです。