本の「版」と「刷」の違い
「ベストセラーにつき増刷決定!」というフレーズはよく目にします。また、ベストセラー本になるほど「初版は貴重」というワードも出てきます。この「版」や「刷」は出版用語ですが、違いを知るとより本が好きになるかも知れません。
奥付の読み方
本の最後には、必ずその本の情報が記載されているページがあり、これを「奥付(おくづけ)」といいます。著者や出版社や発行日など、そこに一緒に記載されているのが「版」や「刷」の数です。
まず「版」は、その原版が何回修正されたかを表します。誤字脱字の修正はもちろんのこと、内容の差し替えなどの変更など、原稿が修正されることはたびたびあります。例えば「第4版」となっていた場合、様々な修正が加えられた4回目の原稿を使って印刷されたものであることが分かります。
そして「刷」というのは、印刷された回数です。10万部のベストセラーを達成するまで、初版の1回のみで発行されることはまずありえません。例えば1万部が売れたら次を印刷するという風に増刷を重ねていき、10万部に到達するのです。その版で何回目の印刷か、という数が「刷数」になります。この刷数は版が更新されるとカウントがリセットされます。つまり初版のまま10回増刷されれば「初版 第10刷」、版を重ねて11回目の印刷時には「第2版 第1刷」という具合に表記されます。