仏教の信仰対象である菩薩(ぼさつ)の一尊である「千手観音」は、その名の通り千の手を持つ観音菩薩です。しかし千手観音をかたどった彫刻の手の数を数えてみると、ほとんどのものが42本しかありません。

千手観音の手の数

千手観音は正面に2本の手、そして脇手が40本あります。脇手は全てに持物を持っていますが、正面の手は合掌しており持物はありません。

千手観音のいわれは、千本の手でどのような命も救済するとされることからですが、42本の手では到底数が足りません。しかし千手観音は1本の手で25本分の働きをするとされ、持物を持つ40本x25本分で1000本となるのです。

また、全ての手のひらに目を持つともされ、救済すべき命をその眼で漏らすことのないようにという力も持っています。

多くの彫刻はこの42本の手をかたどったものばかりですが、少ないながらも実際に1000本の手を彫刻した千手観音像も存在します。