昔から、結婚指輪の相場は給料の3ヶ月分だといわれています。今もなお語り継がれるこの言葉は、実際に世論の統計をとったものではありません。それでは一体どこから生まれたものなのでしょうか。

ダイヤモンドの販売戦略

この言葉が誕生したのは1970年代のことで、割と最近のものなのです。それまでは結婚指輪といえば、誕生石をあしらったものを贈るのが一般的とされていました。しかしそこに目を付けたのが、世界のダイヤモンド市場を支配していたイギリスのデビアス社です。デビアス社は日本にダイヤモンドを流行させようと 「婚約指輪は給料3か月分」というキャッチコピーを採用したのです。

同社は他にも結婚10周年を記念する「スイートテンダイヤモンド」など、次々と企画を生み出しました。このスイートテンダイヤモンドの企画が生まれたのが1980年代のことで、同時に「給料3ヶ月分」という広告は終了したのですが、現在でも未だにこの言葉が語り継がれているのです。

このキャッチコピーは日本で最も成功したキャッチコピーとして、広告代理店の新人研修でも紹介されているとのことです。