そうめんの束の中には、ピンクや緑の色付きの麺が数本混じっていることがあります。これは製造過程で他の色の麺が混入してしまったわけではありません。

そうめんとひやむぎ

そうめんはJIS規格で麺の太さが1.3mm未満でなければならないと定められています。そして、そうめんに似た麺類である「ひやむぎ」は、JIS規格で1.3〜1.7mmと定められているのです。この微々たる差で分かれる二種類は、見た目では判別が難しい場合があります。そのため、戦後頃からそうめんとひやむぎを視覚的に区別しやすくするため、ひやむぎの束に色を付けた麺を差し込んだのが始まりまです。

1970年に合成着色料の使用が禁止され、色付き麺は一度廃れましたが、1980年代以降に天然着色料の普及により色付き麺は復活し、それに伴ってそうめんの束にも色付き麺を入れるメーカーが出てきました。

一束に数本の色付き麺を入れることで清涼感が得られるだけでなく、どこか特別な感じも得られることから、現在でも色付き麺を数本混ぜている製品は販売されています。