天皇家には名字がない?「名字」と「氏名」と「姓名」の違い
最近は秋篠宮の佳子さまが何かと話題を生んでいますが、天皇家には名字がありません。
それでは秋篠宮とは何なのか。そもそも名字とはどういった意味を持っているのか、今回の雑学でご紹介します。
名字と氏名と姓名の違い
まずはこれら三種の本来の意味について説明します。
名字
江戸時代までは平民は名字を持つことが許されていませんでした。貴族と武士だけが名字を名乗ることを許されていたのです。
時代は移り、明治になった1870年に、平民も名字を付ける許可がおりましたが、中々名字を持たない人が多かったのです。そのため1875年には名字を持つことが義務化されました。
名字とは出身地や周りの環境などをもとにして、自分の家に付ける呼び名のようなものであり、ある程度自由に付けることが出来ました。
当時は農民が圧倒的に多かったため、「田」や「山」などがついた名字が多くなってしまいました。
氏名
氏名の「氏」は「うじ」と読み、血筋を表すものとされていました。有名なところで言えば、藤原家や源家があります。
これらの氏は功績を讃えて天皇から授かるものだったのです。
姓名
姓名も氏と同様に天皇から授かるものです。姓名の「性」は「かばね」と読み、その家の格式を表すために付けられました。
性、氏、名字がどのように使われていたのか
有名な徳川家康を例にあげてみます。徳川家康は氏が「源」、姓が「朝臣」、名が「家康」ですので、「源朝臣家康」という名前が公的な名前になります。
ただしこの名前は公式の場や文章に書く名前であり、それとは逆に名字は私的なものであり、公の場では使用できません。
「徳川」という名は公の場では用いられることはなかったようです。
現代の天皇に名字はあるのか
先に述べた通り、氏名や姓名は天皇から授かるものであり、天皇自身には付けられることはありません。
天皇家には自身の家に対しても名字を付けていないので、天皇家に名字は無いというのが答えになります。
「秋篠宮」は名字じゃないの?
宮とは皇族の邸のことですが、現在ではそこに住んでいる皇族のことを指すようになりました。
宮は現在、秋篠宮、常陸宮、三笠宮、桂宮、高円宮の5宮家があります。
宮家は称号であって、名字ではありません。しかし現代で生活していく上で名字がないのはとても不便です。そのため佳子さまも、学校の名簿上では秋篠宮佳子と記されているようです。
天皇家の身分証はどうなってるの
例えば海外旅行にはパスポートの所持が必須です。しかし天皇家は終身公務員という立場にあります。そのため専用の公用パスポートがあり、一般の人と同じパスポートは持たなくとも海外に行くことが出来ます。