自然を愛し、緑あふれる世界を描き続けたことで「色彩の魔術師」と呼ばれたフランスの画家であるアンリ・マティス。彫刻や版画など、芸術作品の幅も広く、20世紀を代表する芸術家として活躍していました。そんな彼の作品に、思わぬ災難が降りかかったのです。

マティスの悲劇

1961年にニューヨーク近代美術館で開催された展示会にて、マティスの切り絵作品である『舟』が展示されました。

47日間逆さまに展示され続けた絵画がある

抽象的な作品ではあるものの、舟を描いたとわかりやすく感じることのできる作品です。しかし残念な事に、開催から47日もの間、上下逆さまに飾られてしまっていたのです。11万6千人もの来場者がその間違いに気付くことなく、最終日の前日になりようやく間違いに気付いた来場客によって指摘され、すぐに直されました。