世界中に約11000種類いるといわれる刺胞動物のほとんどは、そのものが備わっていません。刺胞動物はウニやヒトデ、サンゴなどの生き物が属しており、脳がなくても活動できそうな感じはします。しかし刺胞動物の中には、一見すると他の水生生物と変わりのなさそうなクラゲも含まれています。

クラゲと脳

事実、クラゲには脳は存在しません。脳だけでなく、血液もなければ、当然それを流す血管や心臓までもが存在しない不思議な生き物なのです。

クラゲは身体中に神経が走っており、移動や食事などの行動は反射によって行っています。

そして最大の謎とされるのが睡眠です。人間の場合、睡眠は脳からの命令で行われるとされますが、脳そのものが存在しないクラゲも、睡眠をとることが判明しているのです。睡眠は脳を休ませるために必要であるともいわれますが、脳がないクラゲが睡眠をとることで、生き物はなぜ睡眠をとる必要があるのだろうかという研究が、今もなおされています。