全長263m、超ド級クラスの戦艦「大和(ヤマト)」は、世界最大の46センチ砲を搭載した日本最後にして最強の戦艦です。しかし豪華なのは武装だけでなく、その内装にもありました。あまりの豪華ぶりに、船員たちからは「大和ホテル」とも呼ばれていたほどです。

大和ホテル

冷暖房設備、ベッドの設置は当たり前で、食事はサラダから始まり肉料理で終わり、さらには食後のコーヒーまで付くというフルコースが振る舞われていました。娯楽施設も設けられ、映画の上映会場まであったほどです。

戦時中の疲れた体を癒すには甘いものが必要不可欠です。大和に搭載された火災装置は炭酸ガスが用いられており、これにシロップと水を混ぜてラムネを製造していました。さらには冷凍室を利用してアイスクリームの製造も行われており、船員たちに大好評だったといいます。

戦争とは無縁の海上の楽園のように思われた大和も、就役からわずか4年後の1945年に撃沈されてしまいました。