何匹ものクジラに打ち上げられると、大地震や異常気象の前触れだとニュースで騒がれたりします。ここで問題なのは、なぜクジラが陸に上がってくるのかではなく、肺呼吸で生きているはずのクジラが、なぜ陸に上がると死んでしまうのか、です。

座礁クジラの死因

私たち人間もクジラと同じ哺乳類であり、肺呼吸をしています。それゆえ、水中では呼吸ができずに生きていくことができません。クジラもまた、肺呼吸で生きている動物であり、水中にずっといるイメージがありますが、時たま水面にやってきては呼吸をしています。それなのになぜ、陸で呼吸ができずに死んでしまうのでしょうか。

シロナガスクジラは世界最大の哺乳類といわれています。全長約26m、体重は190トンにもなります。もちろん他のクジラも哺乳類としては非常に巨大な身体をしています。この巨大さが、陸で生きていけない原因なのです。

水中では浮力があるために身体の重さを支えることができているクジラですが、いざ陸に上がってしまうと重力がかかり、自分の重さのせいで内臓が圧迫されて臓器不全を起こしてしまうのです。つまり、重さのせいで肺が潰れてしまい、呼吸ができなくなってしまうというわけです。

そのため、クジラが陸に上がってしまうと短時間しか生きていられないのです。