1979年にリリースされた、さだまさしの『関白宣言
オリコンランキングで1位を獲得、日本レコード大賞で金賞を受賞するまでの名曲で、その売り上げは160万枚を超える。

曲のタイトルの通り、婚前、亭主となる男が妻になる女に向けて亭主関白になる宣言をする歌詞内容になっているが、曲の後半部では妻に向けての愛情が不器用ながら真っ直ぐに伝えられる歌詞になり、実に哀愁の漂う作品である。

この強気な関白宣言に対するアンサーソングとして『関白失脚』という曲がリリースされているのはご存じだろうか。

関白宣言の歌詞一部

お前を嫁にもらう前に、言っておきたい事がある。
かなり厳しい話もするが、俺の本音を聞いておけ。

俺より先に寝てはいけない。
俺より後に起きてもいけない。

飯は上手く作れ、いつも奇麗でいろ。
出来る範囲で構わないから。

忘れてくれるな。
仕事もできない男に、家庭を守れるはずなどないってことを。

お前にはお前にしか出来ないこともあるから。
それ以外は口出しせず、黙って俺についてこい。

当時は女性差別と言われたこともあったが、後半部の歌詞の内容から、一途に妻となる女を愛する男の心情が伝わってくる。
曲を全て聞きたい方は、下記に載せたYouTube投稿動画をご覧いただければ良いだろう。

アンサーソング『関白失脚』

関白宣言の発売から15年後の1994年に、さだまさしが自身の曲へのアンサーソングとして『関白失脚』をリリース。元々は関白宣言の替え歌などをネタとして披露していたが、正式にリリースされたのが1999年だ。

曲調は短調へと変わり、結婚後に妻の尻に敷かれる中年の淋しい男性の心情を描いた哀愁の漂いすぎる歌詞となっている。

お前を嫁にもらったけれど、言うに言えないことだらけ。
かなり淋しい話になるが、俺の本音も聞いとくれ。

俺より先に寝てもいいから。
夕飯ぐらい残しておいて。

いつもポチと二人、ゆうべのカレー、チンして食べる。
それじゃあんまり、わびしいのよ。

忘れていいけど。
仕事もできない俺だが、精一杯がんばってんだよ。

俺なりに、それなりに。

曲を最後まで聞きたい方は下記に載せた動画をご覧いただければ良いだろう。
一見すると笑ってしまうようなコミカルな曲なのかと思えば、終盤ではしっかりと同じ境遇をもった男性達へと送るメッセージソングとなっていることが分かる。