宝塚歌劇団は未婚の女性だけで構成されており、特に女性から強く支持されている歌劇団です。宝塚歌劇団の舞台といえば、絢爛なイメージがありますが、1914年に発足した際の記念すべき第一回公演の作品は、童話「桃太郎」をモチーフにしたものでした。

ドンブラコ

この第一回公演は1914年4月1日から5月30日にかけて宝塚新温泉にて入場無料で上演されました。宝塚歌劇団の初舞台という名目ではなく、宝塚新温泉の集客のために行われました。ステージは施設内の室内プールのプール部分に板を張り、脱衣所を舞台にした簡易的なステージだったのです。

そこで上演されたのが、童話の桃太郎をモチーフにした歌劇『ドンブラコ』でした。

もちろん子ども達が演じるお遊戯会とはレベルを逸しており、独唱・重唱・合唱などそれ相応のスキルが要求される難しい歌劇です。宝塚歌劇団の第一期生達は連日を稽古に費やし、本番後も居残りで稽古を重ねるなどしていたそうです。この努力こそが、今もなお絶大な人気を誇る宝塚歌劇団を作ったといえるでしょう。