人間が舌で感じる味は、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」であり、これを「味の四面体」と表現します。しかし日本の和食では、これに「うま味」を加えた五基本味が用いられます。このうま味は和食特有ともいえ、海外の料理ではあまり意識されないとか。

コクとは

五基本味を意識して作った料理をいざ食べてみると、なんだか「コクが足りない」と感じる時があります。「コク」には明確な定義はありません。「美味しい」=「コクがある」というわけでもありません。しかし一般的には濃厚さや味わい深さなどをコクと表現することが多いです。

このコクの語源は中国であると考えられており、漢字では「酷」と書きます。「酷い(ひどい)」という漢字と同じもので、料理の美味しさなどを表現するのには適さない感じがありますが、この言葉は中国では穀物が熟したことを表す感じであり、熟して濃厚な味わいになったと考えれば、当てはまるべき漢字なのかなという気はします。