中華料理店などで「福」の字が逆さまに書かれる理由
中華料理屋の看板などで「福」の字が逆さまに書かれているのを目にしたことがないでしょうか。筆者が子どもの頃は、この看板を見るたびに「テーブルもイスも天井に張り付いているのかなぁ?」と思っていました。
今回の雑学では、なぜ「福」の字が逆さまに書かれるのかをご紹介します。
福の字が逆さまに書かれる理由
逆さまに書かれた福の字は「倒福(とうふく)」と呼ばれる、中国の習慣の一つです。
倒福は「天井から福が降りてくる」という意味を表し、幸福になれるように願って貼られています。
その昔、中国の皇帝がお忍びで散策していた際、品格に欠ける絵が書かれていたのを目にしました。皇帝は絵を書いた人物を探しだすため、一軒一軒の調査に当たったのです。調査の結果、無関係と判断された家には「福」の張り紙が貼られました。
しかし一軒の家は文字の書き方を知らず、福の字を逆さに書いてしまったのです。それに激怒した皇帝は、その者を処罰しようとしましたが、「福を倒すことで福が到んです」という民衆の説得により、難を逃れました。
これ以降、福の字をわざと逆さまに書いて、災難を逃れることを願い始めたのが由来とされています。
日本でも同じような風習がある
京都にある古い風習で、「十二月十二日」と書いた札を逆さまに貼ることで、泥棒よけの効果があると言われています。
これは12月12日に、天下の大泥棒である石川五右衛門が処刑された日であることが由来となっています。