日本酒の飲み方は酒の肴や季節によって好みが分かれます。熱い温度で飲みたい時もあれば、冷たい温度で飲みたい時もあります。注文をする際には、温めて欲しいのならば「燗(かん)」と伝えますが、冷やして欲しい場合はどういう風に注文しますか?

日本酒の温度

「冷や(冷や酒)で」と注文した際に、常温のお酒が出てきて驚いた方も多いのではないでしょうか。しかし本来はそれが正解なのです。古い日本酒の歴史を考えると当然ですが、昔は簡単に冷やすことが難しく、温かいか常温かの選択肢しかありませんでした。これを「燗」と「冷や」で区別していたのです。つまり燗に対しての冷やなので、常温が正しい温度です。

冷たく冷やされた日本酒は「冷酒」と呼ばれますが、これは1980年代に冷蔵庫の普及と共に広がった、いわば新しいお酒の温度なのです。