日本における水死の発生場所の割合は、圧倒的にお風呂場が多いです。その9割が65歳以上の高齢者が占めますが、幼い子どもの水死のケースも珍しくはありません。溺れそうになったら騒ぐだろうから気付けるはずとお思いの方、それは間違いなのです。

本能的溺水反応

元ライフセーバーの経験を持つアメリカのフランチェスコ・ピア博士は、人が溺れる際の研究をした結果、必ずしも水面をバシャバシャと叩いたり、大きく手を振ってアピールをしたり、大声を上げるなどの行為を行うことはないという「本能的溺水反応」を提唱しています。

人間はいざ溺れている状態に陥った際、呼吸をするのに精一杯になり、これらの危険を知らせる行動を取る余裕が一切なくなります。また、小さな子どもでは、自分が溺れていることすら気付かずに、静かに沈んでいきます。

何かあったら音で分かるというのは創作の世界でのお話であり、親は子どもから決して目を離してはいけません。