2011年3月11日、日本人の記憶に鮮烈に残る大地震が発生しました。東日本大地震です。この大地震で最も被害を出したのが、太平洋から押し寄せた津波による水害です。東日本を飲み込んだ巨大な津波のニュースは世界中を震撼させましたが、海外のニュースでも津波のことは「TSUNAMI」と発音されます。

TSUNAMIの語源

津波は英語圏では「タイダルウェーブ(Tidal wave)」と表現されていた時期がありましたが、そもそもタイダルウェーブは月と太陽の引力によって起きる、海面の昇降現象によってできた波のことであり、津波とはメカニズムが異なります。

また研究者の間では「セイズミックシーウェーブ(Seismic sea wave)」、日本語では「地震性海洋波」という言葉が使われることもありましたが、一般的に普及することはありませんでした。

1946年のアリューシャン地震で、ハワイに津波の大被害があった際、日系移民が「TSUNAMI」という言葉を多用したことでハワイでこの言葉が浸透し、世界中に広まりました。1968年にはアメリカの海洋学者であるウィリアム・G・ヴァン・ドーンが学術用語として使うことを提案し、国際語となったのです。