今では「またコマーシャルか!」と毛嫌いされる面もありますが、テレビ業界はスポンサーの存在なくしては存続が難しい業界でもあります。テレビの放送が開始されてから60年以上の歴史がありますが、初めてのテレビコマーシャルはどんなものだったのでしょうか。

日本初のテレビCM

1953年8月28日の日本テレビにて、日本で初めてテレビコマーシャルが放送されました。このコマーシャルは「精工舎」という企業のものでした。聞き慣れない企業名ですが、実はこの企業は、世界有数の時計のトップメーカーである「セイコー」の創業当時の社名なのです。

このコマーシャルは全編アニメーションで構成され、午後7時をお知らせする内容になっており、まさに時計メーカーならではのコマーシャルでした。

しかし音を流すためのサウンドトラックフィルムが裏返しになってしまい、無音のまま映像だけが流れるという結果になってしまったのです。日本で初めてのテレビコマーシャルは、日本で初めての放送事故ともなってしまったのです。

ちなみに日本で初めてのラジオコマーシャルもまた、セイコー(精工舎)のコマーシャルでした。