電気やエネルギーといえば熱を生み出すのは簡単のように思われますが、冷蔵庫のように電気を使って物を冷やすのにはどういった仕組みが利用されているのでしょうか。

今回の雑学では、熱を使って冷やすというメカニズムについてご紹介します。

冷蔵庫が冷える仕組み

液体が蒸発して気体に変わる時、周りの熱を奪っていく性質があります。これを化学用語では「気化」と呼びます。

注射の前にアルコール消毒液を皮膚に塗ると、揮発性の高いアルコールは一瞬で蒸発し、気体に変化してしまいます。この時にひんやりとした感覚があると思います。これが気化です。

冷蔵庫の中には冷蔵庫全体に行き渡るようにパイプが張り巡らされています。このパイプの中には液体が流れ、循環しています。この液体を電気の力で気化させ、冷蔵庫内を冷やしているのです。

気体となった液体はパイプを伝って圧縮機へと送られます。ここで気体が圧縮されることにより温度が下がり、元の液体へと戻って、またパイプの中を循環していくのです。気化とは逆に、液体へと戻る時には熱を発してしまいます。その熱は冷蔵庫の背面から排出されているのです。

エアコンも冷蔵庫と仕組みは同じ。気化によって冷気が作られ、液体に戻る際に発せられた熱は室外機から排出されています。