になるとの木にワラで出来た腹巻きの様なものが巻かれているところをよく目にします。一見すると寒さ対策のような気がしなくもないですが、他の樹木で同じように腹巻きがされているのを見たことはありません。どのような意味があるのでしょうか。

寒さ対策のためではない

結論から言うと、この腹巻きは寒さ対策のために行われるのではなく、防虫対策として行われるのです。松の木にはマツカレハというズバリそのままの名前の害虫が住みついてしまいます。マツカレハは夏の間に松の木に卵を植え付け、孵化して成長したマツカレハの幼虫は、松の葉を食い尽くしてしまうのです。

マツカレハの幼虫は冬の間は松の木の皮の間や落ち葉などで寒さをしのぐ習性があることから、わざと松の木に腹巻きをして住みやすい環境を作ってあげるのですが、これが幼虫を一網打尽にするトラップなのです。

腹巻きの裏にまんまとおびき寄せられた幼虫は、春が来る前に腹巻きを外し、ワラもろとも焼き殺すことで駆除するのです。