ファッション先進国といえばフランスの名を挙げる人も少なくないでしょう。しかしそんなフランスの首都パリでは、つい最近まで女性ズボンを履くことは法律で禁止されていたのです。

ズボン禁止令

なぜパリの女性がズボンを履いてはならない法律ができたのかは定かではありません。このパリ市でこの条例が定められたのは1799年のことで、当時の警視庁長官によって制定されました。この法律により、ズボンを履きたい場合はその正当な理由と医師の診断書などの提出が求められ、警察から正式に許可を得なければならなかったのです。

そしてこの法律は二度改定されました。1892年には乗馬中はズボンの着用は許されること。そして1909年には自転車に乗っている時も許可されました。

1900年代も中頃を過ぎると、男女同権の運動が起こり始めます。しかしこの法律の改定や廃止は伸ばし伸ばしになり、徐々にその存在すらも薄らいでいきました。2000年代になってようやく法律の見直しがされ、不要であると判断されたこの法律は、制定から200年以上経った2013年1月31日についに廃止になったのです。

現代のパリに住む女性たちはこの法律の存在すら知らない人が大半であり、廃止のニュースを知って驚いたといいます。