険しく切り立った崖の上にある修行寺で、一心不乱に厳しい修行を行なっていそうな印象がある少林寺拳法ですが、じつはこれは大きな勘違いなのです。

少林寺拳法の発祥

少林寺拳法は日本人男性である宗 道臣(そう どうしん)によって創始されました。昭和初期、日本民族発展のために中国大陸へと渡った道臣は、中国人の老師から拳法の技術を少しずつ学びました。1945年、当時の満州でソ連軍の攻撃に遭遇し、約一年間をソ連軍下の満州にて生活する事になります。その生活の中で、「もし生きて日本に帰る事が出来れば、強くて、優しくて、正しい若者を多く育てたい」と思うようになったといいます。

そして日本に帰国した道臣は、四国の香川県仲多度郡多度津町にて、少林寺拳法の教えをスタートさせたのです。つまり少林寺拳法の発祥の地は中国ではなく、日本人による日本の拳法だったのです。

それでは山奥などで修行に明け暮れる印象のある、あの武術はなんなのかというと、あれは「少林拳」と呼ばれる中国発祥の武術で、しばしば少林寺拳法と混同されてしまいがちなのです。