この話はわりと有名なネタですが、では一体なぜメスオスを捕食してしまうのでしょうか。その説明ができる方は意外と少ないのです。

今回の雑学では、カマキリの生態ならぬ、性態をご紹介します。

交尾をするまでも命がけ

オスがメスに対して交尾を仕掛ける際、まるで忍び寄る暗殺者のように非常に慎重に行動に移ります。

基本的にはメスの視界に入っていないこと、メスが食事中の時などに交尾をするべく後ろから歩み寄ります。

メスがこちらを見ている時は決して動くことはありません。

これはカマキリの習性で、カマキリは動いているものを全てエサとして捉える肉食性の生き物だからです。

フェロモンによりオスは同種のメスを認識しますが、メスはオスを認識する能力がありません。その為、同種のオスであろうがエサと認識してしまうのです。

目標を圏内に捉えると、オスは一気にメスの後ろに飛びかかって交尾を開始します。そして交尾をすることによって体が動いてしまい、メスにエサであると認識されて食べられてしまうのです。

命をかけた交尾

種によっても異なりますが、まず言えることは次の三点です。

  • 全てのカマキリが共食いをするわけではない
  • 必ずしも交尾後に捕食するわけではない
  • オスはメスの捕食から逃れるのに必死

交尾するために一生懸命動いているオスを見つけると、メスは自慢のカマでオスの頭をちぎり取ります。

しかしオスはそこで生殖活動を停止しません。オスは腹部神経節によって交尾するための活動を起こします。よって頭がないからといって動きが止まるわけではありません。交尾が終わりを迎えると、ようやく完全に絶命するのです。

オスもメスの捕食から逃れようと必死なのですが、カマキリはメスの方が体が大きいことが多いので、逃げ延びられることは稀なようです。