まずあり得ないことではありますが、もし食料の輸入が全面的に禁止された場合、日本の食卓はどのように変化するのでしょうか。

今回の雑学では、日本の食料自給率についてのお話です。

食料自給率とは

その国において、国内でどれだけの食料が生産されたかの指標です。食料自給率は、消費者の1日の消費カロリーに基いて計算される「カロリーベース」と、生産した食料の値段に基いて計算される「生産額ベース」の二種類があります。今回のテーマでは国民に食料が行き渡る程度を挙げていますので、「カロリーベース」の指標が重要視されます。

日本の食料自給品目

2014年に農林水産省が発表しているデータによると、日本の自給品目と自給率は下記のようになっています。

品目 自給率
97%
鶏卵 95%
きのこ類 87%
野菜 80%
いも類 78%
海藻類 66%
牛乳・乳製品 63%
肉類 55%
魚介類 54%
果実 43%
砂糖類 31%
小麦 13%
油脂類 13%
豆類 10%
大麦・はだか麦 9%

この数値はその食品を輸入したか自給したかであり、需要と供給が関係しているわけではありません。例えば米の自給率は97%ですが、米を含んだ穀類の生産数は2014年では968万トンに対し、需要量は3310万トンであるというデータがあります。明らかに供給が足りていないのが分かります。

先進国の中で最下位なのは

カロリーベースの食料自給率を各国と比べてみると、日本はわずか39%と、次点を大きく引き離してダントツで最低の水準になります。この数値は、もし食料品の輸入が禁止になった場合、日本国民全員がわずが三ヶ月で餓死してしまう計算であるといわれています。

例えば自給率が低い麦類の輸入が禁止されただけでも、パンや麺類を生産することができなくなり、主食は米に限られてしまいます。しかし米も自給率は97%ですが、需要に対して供給が間に合っていない事態に追い打ちをかけることになるのです。