人間は愚かな生き物です。自然破壊などによって生き物を殺すだけにとどまらず、時として同じ人間、つまり殺人を起こしてしまいます。一年間で人間による人間の殺害人数はおよそ47万5000人と言われ、これは地球上で二番目に多く人間を殺している計算になります。それでは一番多く人間を殺している生き物とは何でしょうか。

自然界の殺人者

その答えは獰猛な肉食獣でもなければ、劇毒を持った生き物でもありません。人間の最も身近に存在する昆虫である「蚊」です。蚊は産卵のために必要なタンパク質を人間の血液から吸収します。この際に蚊が持っているウィルスによって人間に伝染病がうつり、あっという間に世界中に感染者が広がっていきます。

有名なウィルスとしてはマラリアなどの原生動物病原体、フィラリアなどの線虫病原体、黄熱病、テング熱などがあります。この中でも最も強力な伝染病はマラリアであり、2015年には世界中で2億1400万人に感染、43万8000人が死亡しました。もちろんマラリア以外の伝染病も非常に強力であり、年間平均で約75万人の死者がでているとされます。