江戸時代では同じ手足を同時に出して歩いていた
現代では右足を出す際は左手を、左足を出す際は右手を出して歩きます。当然といいましょうか、体が自然とそのような動きになってしまうからです。しかし江戸時代にはとても歩きづらい方法で歩いていたとされます。
ナンバ歩行方
そうです、江戸時代では右足を出す際は右足を、左足を出す際は左手を出して歩いていたのです。竹馬に乗って移動しているような状況を想像すると分かりやすいかと思います。この歩き方を「ナンバ」といい、歌舞伎の「六方(ろっぽう)」にみられる動作です。
一体なぜこのような歩き方をしていたのか、それは江戸時代の服装などから推測することができます。当時の服装は当然、和服です。和服では腰に帯を巻きますが、普通の歩き方ではこの帯が非常に邪魔で歩きづらいといわれます。また、腰に刀をさしている場合も同様で、歩きやすさを重視した結果がナンバ歩行方だったのです。
その後、明治時代に入ると、西洋の文化が日本に多く取り入れられるようになり、歩き方も現代の歩き方に変わっていったとされます。