牛のゲップが地球温暖化を加速させている?
地球温暖化対策は今や人類の未来の存続に欠かすことのできない課題になっています。地球温暖化の原因は様々ありますが、その20%がメタンガスによるものとされます。メタンガスは有機物の腐敗や発酵などによって発生する、色も臭いもない可燃性のガスのことで、ゴミの埋立処分場や湿地、水田など、様々な環境から発生しています。しかし温暖化に起因する20%の内の15%もの量のメタンガスは、家畜から生まれているといいます。
地球温暖化の原因は牛にある?
中でも大型の草食動物である牛は、特に問題視されています。牛には4つの胃袋がありますが、一つ目の胃袋では微生物によって消化を行います。この微生物による消化の過程でメタンガスが発生するのです。ただ胃袋の中でメタンガスを発生させているのなら、なんら問題はありません。しかし牛や羊、ヤギやシカなどは反芻(はんすう)動物といわれる種類の動物で、飲み込んだ食べ物を胃から口に戻し、再度胃に流し込むという行動を繰り返します。この際に同時に出るゲップによって、メタンガスが体外へと排出されてしまうのです。
もちろんゲップだけでなく、オナラや排泄物からもメタンガスは発生してしまいます。地球上の全ての牛から発生するメタンガスの量は、年間8000万トンともいわれています。二酸化炭素の50倍もの温室効果を持つといわれているメタンガス。現在では消化の良いエサの開発など、家畜から発生するメタンガスの減少が課題となっています。