1907年発行された『世界遊戯法大全』という、世界中の遊びについて書かれた本の中に「ハノイの塔」というパズルゲームが紹介されました。これは1883年にフランスの数学者であるエドゥアール・リュカが発売したゲームで、このパズルを解いた時は世界が終焉を迎えるだろうといわれています。

ハノイの塔

このパズルのルールはシンプルです。3本の杭が立っており、その左端の杭に中央に穴の開いた大きさの異なる複数の円盤が差し込まれています。円盤は大きいものが下に、小さいものが上に来るように重ねられています。これがスタートの状態です。目標は円盤を全て右端の杭に移動させることですが、円盤は一枚ずつしか移動できない上、小さいものの上に大きいものを乗せることはできません。

解いた時、世界が終焉を迎えるパズルがある

ハノイの塔をクリアするまでの最小手数は数学的に解析されています。通常は10枚以下の少ない円盤で楽しむパズルゲームですが、このゲームに同封されている冊子には「天地創造のときに神が64枚の純金の円盤を大きい円盤から順に重ねて置いた」という一節が記載されています。

本当に64枚の円盤を動かす必要があるのならば、その最小手数は1844京6744兆737億955万1615回で、1回動かすのに1秒かかったと仮定しても、最低でも約5845億年かかる計算になります。宇宙の始まりであるビッグバンは約137億年前に発生したとされているので、このパズルをクリアした時には宇宙は存在していないだろうというわけです。