高級な果物といえばメロンが挙げられます。中でも、一つ一つ丁寧に箱に入れられ、ツルの部分はT字に切り残されたメロンを見ると、いかにも高級な感じが伝わってきます。他の果物ではツルをT字に切り残すことはほとんどありませんが、なぜメロンはこのような出荷方法を取っているのでしょうか。

高級感ではなく、本当に高級

高級なメロンは「一木一果栽培」という栽培方法がとられています。これは読んで字のごとく、一本の木に対して一個の実だけを栽培し、養分をその一個に集中させる栽培方法です。そうすることで甘みがギュッと凝縮された至極の一玉が育つのです。

メロンのツタ(ヘタ)の部分は「アンテナ」と呼ばれます。このアンテナがT字型になっているのは、静岡のメロンが一木一果栽培で一株から一果とれた証拠として、側枝を残したのが始まりとされます。

アンテナはメロンの味には関係がありませんが、左右の太さが均等で、果実に対して水平になっているものが良いとされており、アンテナの良し悪しで値段が変わってきたりもします。

T字に残されたツルは、高級感を漂わせるわけではなく、本当に高級に育てられた証なのです。