温暖でキレイな海に姿を見せる「珊瑚(サンゴ)」。その様子はとても美しく、古くから宝石としても加工されてきました。3月の誕生石になっていたり、結婚35周年を珊瑚婚というように、珊瑚の宝石が贈られます。そんな珊瑚は海中に生息していますが、海藻と同じように植物なのでしょうか?それとも宝石と名のつくからには石なのでしょうか?

珊瑚の実態

実は珊瑚の正体は植物でも石でもなく、動物なのです。刺胞動物門と呼ばれるグループの動物で、クラゲなどをはじめとし約11000種もの動物が属しています。「刺」いう字が使われているとおり、触手には「刺胞」と呼ばれる毒液を注入する針のようなものを備えていることから、このグループ名が付けられました。

珊瑚は海中にいるプランクトンを食べて栄養に変えており、子孫は産卵によって繁栄していく、立派な動物なのです。

珊瑚を近くで見ると、花びらのようなものが集まり、一つの塊になっているのが分かります。その一塊で一つの珊瑚ではなく、花びらのようなもの一つ一つが珊瑚なのです。

ちなみによく耳にする「珊瑚礁」というのは、珊瑚が集まってできた地形の名前です。